2012年3月21日水曜日

あなたの孫にも引き継ぐもの


学生の頃には、教師に殴られた。
海軍で兵役中には、上司に殴られた。

ずっと日本は負けるって思ってたからね。

マラリアで死にかけて、敗戦後帰還した父が、
60年後の日本を見たらどう思う?

子供時代に、ピンクレディーが踊ろうと、
西條秀樹が叫ぼうと、おかまいなしにTVの音を消して、
毎晩のように、太平洋戦争、バリクパパン島での記憶を語る。
それを耳にした娘が私です。

戦争体験のない私も、
帝国主義だった頃の日本が怖いです。
だって、もうまぼろしだと思ってたのに、
まだ残ってるみたいなんだもん。

季節柄、
思い出しては父に助けを呼んでます。
それは、思ったほど辛くなく、
どこか、暖かく感じるのが救いです。

http://tanakayu.blogspot.jp/

2012年3月11日日曜日

「3月11日のマーラー」に出会うために


携帯のメール受信音で目が覚めたのが22:40。
帰宅後、30分だけのつもりがつい深く寝てしまったことで、家族のひんしゅくを申し訳なく思いつつ、
簡単な食事の支度後に、ついてたTVに目をやると、
まるでこの番組を見るために座ったかのようなタイミングで始まったのが「3月11日のマーラー」。
http://nhkworldpremium.com/program/detail.aspx?d=20120311000500&ssl=false&c=26

偶然に出会う。
こういうことは、昔からたまにありました。
妙な時間に眠り込んでしまって、真夜中にもそもそと起きて、たまたま見た深夜番組に目が釘付けになるということ。
お笑い番組のときもあれば、怖い映画のときもあれば。
これ、ちょうど見たいと思ってた。
という出会いもあります。

今回もそのパターンに当てはまると思います。
うまく言葉に表せない、いくつもの感情が、ここにつまってるドキュメンタリーでした。

ちなみに、当然ですがアップしたのは、この演奏の映像ではありません。
バーンスタインによる、マーラーの交響曲第5番のフルセットです。

おそらく、こうした体験をやっと、一年かけて出せた番組なんだろうな。
と思った瞬間、「誰にも伝えられなかった」と、涙ながらにインタビューに応じていた観客のお一人の姿が印象的でした。

311以前は、クラシックを受け入れる素地のなかった私自身、
最も深い悲しみのそばに寄りそう音楽として、こうした演奏の存在があることを、ひしひしと味わった一年であったため、心底、敬意を感じる内容でした。